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私たちの研究室は、半導体光材料[1]Si、GaAs、GaNなど。に軸足を置きつつ、新奇な(これまでにない)物性[2]新奇な物性の発見例:感染症の原因となるウィルスの消毒には、深紫外(DUV)LEDが活用されている。窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)量子井戸を発光層とするこのLEDにおいて、特異なナノ構造が自己形成されること、さらにそれがLEDの性能に大きな影響を及ぼしていることが見出された(https://doi.org/10.1063/1.5063735)、デバイス構造[3]新奇なデバイス構造の提案例:k・p摂動法に基づく理論計算を駆使して、DUV波長領域において動作するAlGaN量子井戸LDの利得生成最適化を、結晶成長面方位を切り口として行った(https://doi.org/10.1063/1.3627180)、およびシステム[4]新奇なシステムの提案例:波長300 nm以下のDUV光が地表の太陽光に含まれていないことから、DUV光無線通信は極めて背景雑音に強い。このような特徴を持つDUV光無線通信を高速(> 1 Gbps)に実現できるシステムが、世界で初めて構築・実証された(https://doi.org/10.1109/ECOC.2018.8535544)を提案することを目指して、2021年12月に発足しました。省エネルギーや社会の持続可能性が叫ばれるようになった今日、発光ダイオード[5]LED(Light-emitting diode)。省エネルギーな一般照明器具などに用いられている。やレーザダイオード[6]LD(Laser diode)インターネットを支える光通信技術の光源などに用いられている。に代表される発光デバイスや、カメラや光センサのような受光デバイスなど、半導体材料によって構成される光デバイスが情報通信や照明、医療など幅広い分野において活用されています。これら既存の光デバイスをさらに高性能化するためには、デバイスの動作原理や具体的な構造、またデバイスの機能・性能の根源である材料の物性を深く理解することが必要です[7]電磁気学、量子力学、固体物理学、数学や化学の基礎、語学力、低温・真空機器や高圧ガスの取り扱い知識、プログラミングスキル、プレゼンテーション・コミュニケーション能力、情報収集能力、自己管理能力、など多くの知識や能力が求められるが、これらは研究室生活を通して飛躍的に伸ばすことが可能。

しかし、既存デバイスの単純な高性能化だけでは、大学の研究として少し面白くありません。例えば、世の中の在り方を(良い方向に)変えるような革新的技術を創出することや、生活の質向上を通して個人や社会の幸福に寄与することなど、もっとワクワクするような目標を設定し、そこに向かって全力を出すのも悪くないでしょう。大それたことではありますが、このような科学技術の大きな転換[8]ゲームチェンジ、イノベーション。を引き起こすためには、これまでの常識では発想できない新しい方式や原理に基づいて動作する新奇デバイス・システムの創出が一つの手段になります。また、皆さんのフレッシュで斬新なアイデアと、私たちが培ってきた技術が融合することにより、新しい発見に至る可能性も十分にあると思います[9]偶察力、徴候的知、セレンディピティ(偶然をきっかけとして予想外の発見をし、それに価値を見出して幸運を手に入れること)。

大学院生活の一番の醍醐味は、知的探求心を持って身の回りの物事を観察し、突き詰めて考えたい・極めたいと思うことを見つけ、自分の立てた目標に向かって挑戦し、全力を出し切ることです。私たちと一緒に研究を楽しみたいと思う方や、自らがパイオニア・先導者として活躍したいという高い志を持つ方を心から歓迎いたします。

研究室スタッフを代表して
2021年12月 小島一信

注釈:

  1. ^Si、GaAs、GaNなど。
  2. ^新奇な物性の発見例:感染症の原因となるウィルスの消毒には、深紫外(DUV)LEDが活用されている。窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)量子井戸を発光層とするこのLEDにおいて、特異なナノ構造が自己形成されること、さらにそれがLEDの性能に大きな影響を及ぼしていることが見出された(DOI: 10.1063/1.5063735)
  3. ^新奇なデバイス構造の提案例:k・p摂動法に基づく理論計算を駆使して、DUV波長領域において動作するAlGaN量子井戸LDの利得生成最適化を、結晶成長面方位を切り口として行った(DOI: 10.1063/1.3627180)
  4. ^新奇なシステムの提案例:波長300 nm以下のDUV光が地表の太陽光に含まれていないことから、DUV光無線通信は極めて背景雑音に強い。このような特徴を持つDUV光無線通信を高速(> 1 Gbps)に実現できるシステムが、世界で初めて構築・実証された(DOI: 10.1109/ECOC.2018.8535544)
  5. ^LED(Light-emitting diode)。省エネルギーな一般照明器具などに用いられている。
  6. ^LD(Laser diode)インターネットを支える光通信技術の光源などに用いられている。
  7. ^電磁気学、量子力学、固体物理学、結晶工学、半導体工学、数学や化学の基礎、低温・真空機器や結晶成長装置、半導体プロセス装置、高圧ガスの取り扱い知識、プログラミングスキル、語学力、プレゼンテーション・コミュニケーション能力、情報収集能力、自己管理能力、など多くの知識や能力が求められるが、これらは研究室生活を通して飛躍的に伸ばすことが可能。
  8. ^ゲームチェンジ、イノベーション。
  9. ^偶察力、徴候的知、セレンディピティ(偶然をきっかけとして予想外の発見をし、それに価値を見出して幸運を手に入れること)。

ミニ講義動画(30分)

私たちの研究テーマをもっと分かり易く知ってもらう為に、講義動画公開サイト「夢ナビ講義動画サービス」にて、「浄水・通信用DUV LED光物性」及び「太陽光不敏感LED光無線通信」についての講義動画を公開しております。

下記サイトより是非ご覧ください。

研究室の年間スケジュール(after コロナ)

 時期   イベント 

 4月 

 新年度メンバー顔合わせ 

 新歓コンパ

 5月 

 研究会スタート 

 輪講開始 

 8月 

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 院試お疲れ飲み会

 9月 

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 秋の学会シーズン
 10月   吹田祭[1]工学部 研究室対抗スポーツ大会

 12月 

 卒業研究の中間報告 

 忘年会

 2月 

 卒論・修論提出 

 卒論・修論発表会

 3月 

 追い出しコンパ 

 春の学会シーズン